東京高等裁判所 昭和27年(う)2794号 判決
原判決がその理由の冒頭において「被告人は昭和二十四年十一月十七日東京簡易裁判所において窃盗罪により懲役二年の判決を受け、昭和二十五年三月十四日該判決確定して刑の執行を受け昭和二十六年六月十六日仮出獄した」旨判示にその適条の部において原判示犯行につき累犯加重の処遇をしていることは所論のとおりである。然るに右判文上も、又その証拠に引用されている被告人に対する前科調書並びに被告人の検察官に対する供述調書の各記載によつても、右前科事件の判決確定後、大赦、減刑又は刑の執行の免除を受けたことは、これを窺い得ない(仮出獄は減刑でもなく又刑の執行の免除でもない)ので右刑の執行を受け終つたと言い得る時期は早くとも昭和二十七年三月十三日であること算数上明白である。然らば原判決が原判示前刑の仮出獄期間中である昭和二十六年九月八日から昭和二十七年二月二十七日までの間に行つた本件犯行について累犯加重の処遇をしたのは所論のとおり法令の適用を誤つたものであり、この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかであるから論旨は理由があり原判決はこの点において到底破棄を免れない。