大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)2820号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(爭點)

簡易裁判所たる原審は暴行罪につき禁錮以上の刑たる懲役四月の刑を言い渡したのに対し検察官並びに弁護人ともその措置を違法だと主張している。

(判旨)

裁判所法第三三条は簡易裁判所の事物管轄権について規定しているのであり、その第二項本文には「簡易裁判所は禁錮以上の刑を科することができない」と規定し、同第三項には「簡易裁判所は前項の制限を超える刑を科するのを相当と認めるときは、訴訟法の定めるところにより事件を地方裁判所に移さなければならない」と規定にているが、此等も亦管轄権に関する規定であると認むべきである。即ち右第二項第三項は之を合一して理解すべく簡易裁判所が法定の除外例を除き禁錮以上の刑に処するのを相当と認めたときは該事件の管轄権を失うこととなり、従つて之を管轄地方裁判所に移送することを要するということを定めたものと解することができる。故に裁判所法第三三条第二・三項に違反して簡易裁判所が禁錮以上の刑を科することは不法に管轄を認めたことになること恰も通常の事物管轄権の規定に対する違反と趣を異にしないといえるのであり、之を右第三三条第二項本文の違反は法令の適用の違反であり、同第三項の違反は訴訟手続の違反となるという風に分割して論ずる必要はないと認められる。今本件についてみるに前記の通り簡易裁判所が法律に於て許された場合でないのに禁錮以上の刑を科したのであり裁判所法第三三条第二、三項に違反したことは明白であるから、他の論点につき判断するまでもなく原判決は破棄を免れないのは勿論である。

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