大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)2920号 判決

よつて記録を調査するに、原審第四回公判調書によると、同公判において検察官請求にかかる第二十七号、第二十八号の証拠物電報三通及び売買契約書一通の証拠調が施行されており、その証拠調の決定をなすについて被告人又は弁護人の意見を聴いた旨の記載がないことは所論のとおりである。そして、証拠調の請求に基いてその取調の決定をするについては相手方又はその弁護人の意見を聴かなければならないことは刑事訴訟規則第百九十条第二項の規定するところであるが、その意見を聴くことと、これを公判調書に記載することとは、おのずから別問題であつて、同規則第四十四条の規定によれば、右の意見を聴いたこと自体についてはこれを公判調書の必要的記載事項としていないのであるから、単に公判調書に被告人又は弁護人の意見を聴いたことについて何らの記載がないからといつて直ちに裁判官が右証拠調の決定をなすについて被告人又は弁護人の意見を聴かなかつたものとすることはできないのである。かえつて、その点について被告人及び弁護人から何らの異議の申立もなかつたことからすれば、むしろ裁判官からその意見を徴したものと推定し得るのみならず、また証拠物については被告人又は弁護人の同意がなくとも、証拠調を施行しこれを証拠として採用するに妨げないのであるから、仮りに所論のような違法があつたとしても、判決に影響を及ぼすべきものということはできないのである。結局所論は採用し難く、論旨は理由がない。

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