大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)4000号 判決

〔抄 録〕

弁護人の控訴趣意第一点について。

被告人に対する昭和二十七年八月四日附の起訴状謄本及び同年九月十一日附の追起訴状謄本が、いずれも、水上警察署在監中の被告人に対し、警視総監宛に送達され、それが千代田区霞ケ関一の一の一警視庁刑事部押送係において、巡査北垣正によつて受領されていることは論旨の指摘するとおりであるが、本件訴訟記録によれば、右本件起訴状謄本については同年八月七日、弁護人の選任に関する通知書並びに回答書と共に送達の手続がとられたところ、右通知書に対しては、被告人から、同日附で、国選弁護人を頼みたい旨の回答があり又右本件追起訴状謄本については、同年九月十五日、弁護人の選任に関する通知書並びに回答書と共に送達の手続がなされたところ、被告人から、同日附をもつて、国選弁護人を頼みたい旨の回答があつたことが明らかであるから、本件起訴状謄本は同年八月七日までに、又本件追起訴状謄本は同年九月十五日までに、それぞれ被告人に交付されているものと推断することができるばかりでなく、原審において、被告人又は弁護人が本件起訴状謄本又は追起訴状謄本の送達がなかつたことについて異議を述べた形跡のないことも明らかであるから、仮りに本件起訴状謄本及び追起訴状謄本の送達が水上警察署長宛にされずに警視総監宛にされたことが所論のように適式でなかつたとしても、被告人に対しては、少しも不利益を及ぼすものとはいえない。されば、所論は判決に影響を及ぼすことの明らかな訴訟手続の違法とはいえないから、論旨は理由がない。

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