大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)476号 判決

刑事訴訟規則第百二十三条第二項は、後に尋問すべき証人が在廷するときは、退廷を命じなければならないとしているのにかかわらず、原審第三回公判調書には、証人大榊悦男を尋問するにあたり、後に尋問すべき証人若林規一を退廷させた旨の記載のないことは、論旨の指摘するとおりであるが、右公判調書には、証人大榊悦男の尋問を終つた後、証人若林規一を入廷させて尋問した旨の記載があり、右記載に徴すれば証人大榊悦男の尋問の際には、証人若林規一を在廷させていなかつたものと推定することができるばかりでなく、仮にそうでないとしても、いわゆる在廷証人の証言といえども、その証拠能力そのものには別に欠けるところはないものであり且つ本件訴訟記録並びに原裁判所及び当裁判所が取り調べた証拠を精査しても、証人大榊悦男の尋問の際、後に尋問すべき証人若林規一を退廷させなかつたため、証人大榊悦男又は証人若林規一の証言がことさらにゆがめられたと認むべき証左もないので、たとえこの点の訴訟手続に関して所論のような法令の違反があつたとしても、右違反は判決に影響を及ぼすものとは認められない。

K弁護人の控訴趣意第一点について。

原審第八回公判調書によれば、右公判期日の公判廷に出席した検察官副検事伊東寿が、被告人の検察官に対する供述調書の任意性を立証するため、その作成者である自分自身の証人尋問を請求し、原審裁判官が、主任弁護人の意見を聴いた上、これを採用し、同公判廷において、右伊東寿検察官を証人として尋問したことは、論旨の指摘するとおりであるが、公判立会の検察官が、右のような事実の立証のため、自分自身を証人に申請することそれ自体は何ら違法でなく、なお本件においては、右公判調書によつて明らかなように、右伊東検察官が証人として採用せられるや、直ちに検察官副検事野口敬三郎が右伊東検察官と交替して出席した公判廷において、右伊東検察官の証人尋問が行われたものであつて、右訴訟手続には、所論のような法令の違反はないから、論旨は理由がない。

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