東京高等裁判所 昭和27年(ネ)1694号 判決
被控訴人が、抗弁として、控訴人が右金二〇万円を貸与したのは、当時指定生産資材として統制を受けていた綿糸の割当証明書を入手するための運動資金として貸与したもので、不法原因に基く給付であるから、これが返還を請求することはできない。従て又被控訴人は抵当権設定登記をする義務はないと主張するからこの点について判断するに、前記認定の事実からみても、控訴人が自ら不法な行為をなすために前記金員の貸与をしたものでないことが明らかであり、たとい控訴人において、右貸金が被控訴人等の綿糸割当証明書入手のために使用せられることを知つて貸与したものとしても、割当証明書の下付を受けること自体は法律の禁止するところでもないし、又公序良俗に反する行為でもないのであるから、右貸金はなんら不法の原因のための給付ということはできない。故に右主張は理由がない。