大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(ネ)198号 判決

本件控訴中新潟地方裁判所が昭和二十六年十二月二十七日に言渡した判決に対する部分を却下し、同月二十八日に言渡した追加判決に対する部分を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

二、事実及び理由

控訴人は、原裁判所が言渡した最初の判決及び追加判決を取消す、被控訴人の請求を棄却する、訴訟費用は第一、二審共被控訴人の負担とする、との判決を求め、被控訴人は控訴棄却の判決を求めた。

職権を以て按ずるに、原裁判所は本件について、昭和二十六年十二月二十七日に原告(被控訴人)勝訴の判決を言渡し、同月二十八日に仮執行宣言の追加判決を言渡し、両判決ともそれぞれ右各言渡の日に被告(控訴人)の訴訟代理人に送達せられたことは、原審記録に徴して明かであり、右両判決に対する控訴人の控訴状が昭和二十七年一月十一日に原裁判所に提出されたことは、控訴状に押捺してある同裁判所の受付日付印によつて明かである。

而して最初の判決と追加判決とがある場合に、その控訴期間は何時から計算すべきかについては、大正十五年法律第六十一号を以て改正せられた民事訴訟法施行前の民事訴訟法第四百条第三項には、控訴期間の進行は最初の判決に対する控訴についても追加裁判の送達を以て始まる旨の規定があつたが、右改正法によつてこの規定が削除されたところよりみれば、現行法の下においては、理論に従い控訴期間は最初の判決と追加判決とについて各別に進行するものと解するのを相当とするところ、前示のとおり、原審がなした最初の判決は昭和二十六年十二月二十七日に控訴人の訴訟代理人に送達せられたにかかわらず、控訴状が原裁判所に提出されたのは昭和二十七年一月十一日であるから、最初の判決に対する控訴は法定期間内に提起せられなかつたものというべきであり、したがつて右控訴は不適法として却下せらるべきを相当とする。

また追加判決に対する本件控訴は、前示認定の事実に徴し、法定期間内に提起せられたことは明かであるが、右追加判決は最初の判決によつて認容せられた被控訴人の財産権上の請求に附帯してなさるべき仮執行宣言を追加したものであるところ、最初の判決は控訴期間の経過によつて確定し、既に本執行をなし得る状態に置かれていることが明かであるから、控訴人はもはや右追加判決によつて言渡された仮執行宣言の当否を争う利益がないことに帰したものというべきである。したがつて追加判決に対する控訴は棄却すべきを相当とする。

よつて訴訟費用の負担について民事訴訟法第九十五条、第八十九条によつて主文のとおり判決する。

(裁判官 柳川昌勝 小堀保 中村匡三)

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