東京高等裁判所 昭和28年(う)1131号 判決
被告人 青木英一
〔抄 録〕
職権をもつて更に調査すると、原判決は同第一の事実において「(前略)因て別表(一)小切手振出日欄記載の月日に同所において同局会計課支出係員から右支出官等を振出人として日本銀行を支払人とする前記別表(一)支出決議書案其の一現金支給額欄記載の金額を金額とする小切手合計九通の交付を受けてこれを騙取し(前記一月二十五日の小切手と合せて小切手金額合計千六百四十三万七千九百九十二円五十八銭内不正額二百四十九万七千八百三十四円五十銭)」と判示しながら別表(一)には何ら小切手振出日欄及び同記載の月日は存在しないのである。以上はすなわち判決の重要な部分につきその理由にくいちがいがあるか又は判決に理由を附さない違法があるものといわなければならない。結局論旨は理由があり、原判決は爾余の論旨につき判断をなすまでもなく、この点において破棄は免れない。