東京高等裁判所 昭和28年(う)1344号 判決
被告人 山崎章
〔抄 録〕
弁護人の論旨第二点について。
記録第三十五丁編綴の身上調査に関する照会書と題する書面中の記載によれば、「本籍福島県耶麻郡喜多方町寺町五、四三八山崎彰(大正十一年一月十二日生)」なる者についての照会に対し「本籍耶麻郡慶徳道上五千三百四十八番地山崎章(大正十一年一月十二日生)」という回答があつたものであつてその本籍及び名前について、両者間に多少の差異の存することは所論のとおりであるが、しかし、右書面中の記載と、記録第三十四丁編綴の指紋照会回答書中の記載とを対照し、これらと原審第一回公判調書中同人の供述記載、被告人の司法警察員及び副検事に対する各供述調書中同人の供述記載等をそう合考察するときは、被告人の正確な本籍及び氏名は、「福島県耶麻郡喜多方町慶徳道上五千三百四十八番地山崎章」であることが認められるのであるから、原判決には、この点について、所論のような審理不尽の違法があるものということはできない。尤も、原判決書には、何故か、被告人の本籍及び氏名の表示に、「本籍福島県耶麻郡喜多方町寺町五、四三八番地山崎彰」と記載してあつて、記録上正確と認め得られる前示の本籍及び氏名とは相違しているのであるが、しかし、右は、単に、判決書に記載した被告人の本籍及び氏名の表示がやや正確を欠いたというに止まり、人違により、被告人でない者に対し判決をした違法があるものということはできないから、これをもつて、原判決を破棄すべき理由とするに足りない。論旨も亦理由がない。