東京高等裁判所 昭和28年(う)2020号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(判旨)刑訴法第三三五条一項において罪の言渡をするについて示さなければ ならない法令の適用とは主文のよつて生ずる法令を明らかにする意味であつて、主文において言い渡した事項に照し合せてどの事項にどの法令を適用したか、換言すれば主文の刑が如何なる法令の根拠によつて抽出され科刑されたかを一目して明瞭に知り得れば足りるものである。原判決はその理由において罪となるべき事実として被告人両名の犯罪事実を掲げ、次いで証拠の標目として右事実を認定した証拠を掲げ、最後に適用した法令として「各公職選挙法第二二一条第一項第四号、各刑法第十八条、公職選挙法第二二四条、(被告人Aに対する追徴規定)同法同条(被告人Bに対する沒収規定)各同法第二五二条第三項第一項(被告人等に対するもの)」を挙げている。これによつて見れば、右の公職選挙法第二二一条第一項第四号は被告人両名に対し主文第一項で言い渡した主刑の、次に、刑法第一八条は被告人両名に対し主文第二項で言い渡した換刑処分の、次に、公職選挙法第二二四条と次行の同法同条は主文第三項で言い渡した被告人Aに対する追徴及び主文第四項で言い渡した被告人Bに対する没収の、各同法第二五二条第三項第一項は主文第五項で言い渡した被告人両名に対する選挙権及び被選挙権に関する制限規定の不適用の、それぞれ拠つて来るところを示すものであることが明らかであつて、原判決のこの方法による法令の適用の方法は毫も理由不備をもつて攻撃すべきものではない。所論は全く独自の見解をたてて適法な原判決の擬律を攻撃するに過ぎない。