大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(う)2304号 判決

被告人 向川義雄

〔抄 録〕

原審が、その判決に、本件犯行を刑法第五十九条にいわゆる三犯に該当する累犯として法令の適用を示すのに、ただ単に、右第五十九条を示しているだけで、同法第五十六条第一項、第五十七条の適用を示していないことは洵に所論のとおりである。然し乍ら、原判決は、三犯に該当する累犯たることを示す各前科を明示し、刑法第五十九条を適用するに当つては、累犯にかかるが故に同条に従うものであることを明らかにし、而も、「同条には三犯以上の者と雖も仍ほ再犯の例に同じ」とあつて、原審が、同法第五十六条第一項、第五十七条をも適用処断したものであることは、自づから明白であるから、これが法条を判文に明示するところのなかつたことの当を得ないものであることはこれを否み得ないとするも、これが瑕疵をもつて原判決を破棄すべき事由とするには足りない。従つて、原判決は、三犯の場合の法律の適用を誤まるの過誤を冒したものであるから、これを破棄すべきであるとする論旨は採用し難く理由がない。

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