大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(う)2530号 判決

被告人 高橋基治

〔抄 録〕

論旨第一点擬律錯誤の違法について。

よつて原判決を閲するに、原判決は罪となるべき事実として認定した判示第一の食糧管理法違反罪と判示第二の公務執行妨害罪の二罪を刑法第四十五条前段の併合罪として同法第四十七条第十条を適用して併合罪の加重をするに当り判示第一の食糧管理法違反罪について所定懲役刑及罰金刑を併科することとしておるが判示第二の公務執行妨害罪については所定刑中懲役又は禁錮のうちその何れを選択するかを判示することなく、漫然重い判示第一の食糧管理法違反の罪の刑に併合罪の加重をした刑の範囲内で懲役六月及罰金弐万円に処するとしておることは所論のとおりである。然しながら原判決は判示第一の食糧管理法違反罪については情状に因り所定の懲役刑及び罰金刑を併科することとしておるのであるから原判決が刑法第四十七条第十条を適用して併合罪の加重するに当り原判示には単に重い食糧管理法違反の罪の刑云々とあるけれども、右は同法所定刑中の十年以下の懲役刑に基いてする趣旨であることも亦判文上明らかなところである。而して判示第二の公務執行妨害罪の法定刑は三年以下の懲役又は禁錮であるから該所定刑の懲役又は禁錮のうちその何れを選択することにしたとしても右二罪につき併合罪の加重をするには結局重い判示第一の食糧管理法違反の罪の懲役刑に基いて法定の加重をしなければならないこととなり、原判決と同様なる結果に帰する筋合であるから原判決には所論のように併合罪の加重をする手続過程において、判示公務執行妨害罪の所定刑中その適用刑を定めなかつたという誤があつたといわねばならないが、この誤は何等判決に影響を及ぼすべきものではないものと謂うべく、従つて論旨は理由がない。

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