東京高等裁判所 昭和28年(う)3316号・昭28年(う)3314号・昭28年(う)3315号・昭28年(う)3317号 判決
被告人 金沢儀作 外
〔抄 録〕
(三)被告人大槻庸資と被告人大槻階亮との間の金八千円の授受についても、原判決の挙示する証拠によれば所論の日時の点及び趣旨の点を含めすべてこれを認めることができるのであつて、一件記録を精査検討しても論旨の主張するような事実関係ではなかつたものと認められる。論旨は、なお、供与の相手方が特定していなければ交付罪は成立しないと主張するが、公職選挙法第二百二十一条第一項第五号の交付罪は、同項第一号から第三号までに掲げる行為をさせる目的をもつて選挙運動者に対し金銭を手交すればそれで成立するのであつて、その金銭がさらに渡されるべき相手方の予め特定していることは必要でないと解すべきであるから右の主張も採用するわけにゆかない。