東京高等裁判所 昭和28年(う)3830号 判決
被告人 山谷富見男
〔抄 録〕
論旨一について。
原判決が被告人及び小池守一は判示選挙に際し立候補した佐藤政吉の選挙運動者であると認定したことは所論の通りであるが、公職選挙法において選挙運動者とは特定候補者のため現に選挙運動をし又は将来選挙運動をしようとする者のすべてを含む趣旨と解すべく、原判決挙示の証拠を綜合すると被告人は当時現に佐藤候補を支持し応援して選挙運動をしており、小池守一は被告人及び佐藤候補の長男から佐藤候補を応援する様依頼されてこれを諒承し、佐藤候補のため選挙運動をする意思があつたことを認めることができるから、原審が被告人及び小池守一を佐藤候補の選挙運動者と認定したのは事実の認定を誤つたものではなく、従つて被告人が小池守一の選挙運動に対する労をねぎろう趣旨で合成清酒一升を贈与することは何等経験則に反し又は論理の矛盾を生ずるものでもない。原判決挙示の各証拠を綜合すると原判示事実は優にこれを認めることができ記録を精査するも原判決に所論のような事実誤認の過誤があるとは認められない。論旨は理由がない。
註 本件破棄は量刑不当。