東京高等裁判所 昭和28年(ネ)138号 判決
以上認定のように、控訴人が罹災地たる借地につき昭和二十年六、七月頃二回も地主たる被控訴人岡本から引続き使用の意思の有無を確められていながらこれに返信することなく、その後昭和二十六年二月突如本訴を提起するに至るまで五年有余の間賃料の支払、土地使用の申出その他借地人としての何らの連絡をしようともすることなく過した事実によれば、その間都会地における土地の需要急増し、罹災地たる借地に関心を有する者はその保全に特別の注意を払うのが通常であつたことを考え合せると、控訴人は被控訴人岡本に対し昭和二十年六、七月頃あるいはその後おそくも本訴提起に至るまでの間においてその借地権をすてて省みない態度を示したものとして昭和二十年六、七月頃、おそくとも本訴提起までの間に借地権抛棄の意思を表示したものと認むべきであり、控訴人の借地権はこれによつて消滅したものといわねばならぬ。