大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(ネ)2052号 判決

次に、控訴人の当審における新な抗弁(前段事実摘示参照)については、被控訴人は該抗弁は時機におくれたものと主張するのでこの点について考える。

本件記録に徴すると、原審においては昭和二十七年五月二十七日から昭和二十八年十月十二日までの間数回にわたつて口頭弁論が開かれ、その間被告(控訴人)代理人は各証拠調期日において、控訴会社の取締役をしていた勝田晴夫、高木政勝、新庄鹿一等を証人として尋問し、原告(被控訴人)代理人も原告本人尋問において、本件債務の肩替りの点について尋問していることが認められるから、特段の事情が認められない限り、控訴人は原審口頭弁論において右抗弁を主張する機会があつたものと認めるのが相当である。当審証人粟田吉雄の証言によつては右認定を覆すに足りない。従つて右の認定並びに原審並びに当審における本件訴訟の経過に徴して考えると、控訴人が当審に至つて始めて前記抗弁を主張することは、少くとも重大な過失によつて時機におくれて防禦の方法を提出したものというの外なく、しかもその抗弁事実については被控訴人において争うところであるから、その審理に当つては更に証拠調を重ねることを要し、かくては控訴の完結を遅延せしむるものと認められる。前記粟田証人の証言によつても、叙上の判定を覆すに足りない。よつて、右の抗弁は時機におくれたものとしてこれを却下すべきものとする。

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