大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(ネ)6号 判決

次に、控訴人は、右代物弁済の契約は控訴人の困窮、無思慮、無経験に乗じた暴利を貪る契約で無効であると主張するから判断する。当審での鑑定人川口長助の鑑定の結果によれば、昭和二十五年十二月、同二十六年一月当時の本件土地の価額が合計約金一百万円なりとしているが、右鑑定の結果は必ずしも採用し難く、成立について争のない乙第十四号証の一、二、第十五号証の一ないし五及当審証人大窪政信の証言(第一、二回)を綜合して考えれば、その当時での本件土地の時価は、上記認定の競売事件での鑑定人伊藤晋一の鑑定の結果(乙第十四号証の一)の三十三万二千三百円は時価よりも低廉だとしても、上記四十四万五千円をさして上廻る価額ではなかつたことを推認することができる。右認定に反する原審と当審での控訴人本人尋問の結果は信用しない。従つて、右土地の代物弁済契約が上記の認定のように当事者間に円満に成立した事情と合せ考えれば、右代物弁済契約は暴利で民法第九〇条に反するものとは未だ認め難いから、この点に関する控訴人の主張も理由がない。

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