東京高等裁判所 昭和28年(ネ)805号 判決
よつて考えるに、控訴人主張の売買の当時の法制では、農地所有権移転には、都道府県知事の許可を受けることを要するものであるが、(農地調整法第四条同法施行令第二条)この許可は右行為を有効ならしめる法定の条件であるから、これを欠くものは絶対的無効の行為として何人といえども、また何人にたいしても、これを主張しうるものといわなければならない そうであるとすれば、本件畑の売買において右許可がないのは、控訴人がいうように被控訴人がその申請手続を怠つたからであり、かような被控訴人の懈怠が控訴人にたいする本件売買契約上の義務不履行となるものであるとしても、被控訴人において許可の缺欠を理由に本件畑の売買の無効を主張するにさまたげあるものではなく、右はけつして信義則に反するものとはいえない。