大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(ネ)818号 判決

控訴人はこれは被控訴人及び笹崎、滝口両名が共謀して故意に控訴人の権利を侵害したものであると主張する。しかし被控訴人は控訴人の買受の以前本件土地について贈与を受けた第一の譲受人であること前認定のとおりで、被控訴人は本来滝口に対して当然自己に所有権移転登記をすべきことを求める権利を有するものであり、前記中間省略の登記もひつきよう関係者合意の上自己の権利の行使としてなされたものであるといわなければならない。右登記は控訴人から右滝口及び笹崎に対する本件土地移転登記請求訴訟が提起された直後になされたものであることは当裁判所に職務上顕著であるが、このような不動産の二重譲渡において第二の譲受人から登記の請求があつた場合、第一の譲受人が漫然これを傍観し得るはずはないのであるから、被控訴人が自己の権利を確保するため急いでその移転登記を求めることはむしろ当然のことというべきであつて、この権利の行使をもつて不法といい得ないことは明らかである。その他に被控訴人の右権利行使がもつぱら控訴人の権利を害するためにのみされ、総じてこれが権利の濫用にあたると認めるべき特段の事情は見出し得ない。しからば仮りに被控訴人がその登記にあたり控訴人の本件土地買受の事実を知つており、従つて右登記の結果は控訴人に損害を生ずべきことを知つていたとしても、これによつて不法行為の責を負うべき筋合はない。また訴外滝口俊夫が右登記について控訴人に対し不法行為の責を負うとして、被控訴人がこれと共謀したものとしても、被控訴人の行為は権利の行使としてそれ自体正当の行為であるから、この点においても右滝口とともに共同不法行為の責を生ずるいわれはない。

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