大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(ラ)145号 決定

本件抗告は、抗告状を原審裁判所に郵便によりて提出してなされたものであるが、前記浦和地方裁判所昭和二十七年(ケ)第四一号不動産競売事件記録には、本件抗告の趣旨及び理由と全く同一の抗告状が編綴されているので、両抗告状を封入した本件の封筒を検すると、前者は原審裁判所に宛て、後者は当裁判所に宛て、いずれも昭和二十八年四月二十二日午前八時から同十二時までの間に、書留、即日速達の郵便物として東京中央郵便局で受理されていて、前者には昭和二十八年四月二十三日受付の原審裁判所のスタンプが押捺され、後者には昭和二十八年四月二十二日午後〇時から同三時までの間に受付の当裁判所のスタンプが押捺されており、又両抗告状に押捺のスタンプを検すると、前者には昭和二十八年四月二十三日受付の原審裁判所のスタンプが押捺され、後者には昭和二十八年四月二十二日受付の当裁判所のスタンプが押捺されている。惟うに、東京中央郵便局より当裁判所までの距離は、同郵便局より原審裁判所たる浦和地方裁判所までの距離に比し、甚しく近距離であることは顕著であるし、当裁判所の照会に対し、原審裁判所より本件抗告状は昭和二十八年四月二十三日同裁判所に送達された旨回答して来ているので、これらにかんがみるときは、前者即ち本件抗告状は後者が当裁判所に送達された後に原審裁判所に送達されたものと認定するに難くない。してみると、本件抗告は後者による抗告に重複してなされたものというべきであるから、権利保護の必要を欠き、法律上許さるべきものではない。よつてこれを却下すべきものとし、主文のとおり決定する。

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