東京高等裁判所 昭和28年(ラ)471号 決定
再抗告は抗告裁判所の決定について法令に違背した場合に許されるものであるが、原決定の公示催告は、その目的である証券が盗難、紛失又は所持人の意思に基ずかないでその占有を離脱し、現に所在不明の場合に限つて、申立て得るとの見解は相当でありこの点について原決定は法令の解釈を誤つていない。このように解しないと本件の場合のように、約束手形を詐取されたとはいえ、自己の意思に基いて振出して、その善意の取得者に対し債務を負担しているものが現にその手形を所持しているものが不明だからといつて、公示催告の申立を許し、引いては除権判決によつてその手形の効力を喪失せしめるようなことは、善意の取得者には不服申立の方法が認められているとはいへ、不測の損害を与へるおそれがないとはいへないからである。これに反する再抗告人の主張は独自の見解に基くもので当裁判所の採用し得ないものであるし、その他の抗告人の主張も上記判断を左右し得るものではない。