大判例

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東京高等裁判所 昭和29年(う)2307号 判決

被告人 朴淑

〔抄 録〕

一、弁護人の控訴趣意第一点について。

刑事訴訟規則第四十六条第一項により、公判調書には、裁判所書記官が署名押印し、裁判長が認印しなければならないところ、本件記録に徴すれば、原審第三回公判調書(記録四五丁)には裁判所書記官広瀬勇の署名押印があり、欄外裁判官認印欄には裁判官佐藤熊雄の認印があることは明らかであるから、右公判調書は前記規則所定の形式を具備しているものといわなければならない。同公判期日において取り調べた所論各証人の供述を記載した調書は右公判調書に添附されその一部をなすものであるから、訴訟手続を記載した右公判調書に前記署名押印並びに認印ある以上これに添附された証人の供述を記載した調書には別個に署名押印或は認印を必要とするものではない。蓋しこれ等署名押印並びに認印を必要とする所以は、該公判調書の作成者を明らかにしその正確性を担保せんとするものであるから、公判調書毎に一個の署名押印並びに認印があれば、これに添附され一体をなす調書についてもその目的を達し得るからである。尤も記録によれば、証人李万一の供述を記載した調書には第三回公判調書なる表題を、又証人金洙鳳の供述を記載した調書には第三回公判調書(供述)なる表題を附しているが、これら調書の表題としては証人の供述調書なることを記載するのが適当であるけれども、右各調書の内容を見れば証人の供述調書であることは明らかであるから、仮りに右の如き表題があるからとてこれが各々独立して別個の公判調書となるべきものではない。従つて右公判調書は何等法令に違反するところのものはないから、これを証拠に採用しても毫も違法ではない。論旨は理由がない。

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