大判例

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東京高等裁判所 昭和29年(う)3402号 判決

被告人 高野勝司

〔抄 録〕

弁護人の控訴の趣意第一点について。

論旨は、要するに、本件につき逮捕状を発布し、かつ第一回公判期日前たる昭和二十九年十月三十日勾留に関する処分の関係書類を送付している清水又美裁判官が更に本件を審理判決しているのは刑事訴訟規則第百八十七条第一項に違反するものであつて、この違反が判決に影響を及ぼすことは明らかであるから原判決は破棄を免れない、というのである。よつて記録を調査すると、本件について審理判決した清水又美裁判官が被告人に対し逮捕状を発布し、かつ第一回公判期日前たる昭和二十九年十月三十日に勾留に関する処分の関係書類である逮捕状及び勾留状各一通の送付手続をしていることは所論のとおりである。しかしながら、右逮捕状が発布せられたのは本件公訴提起前であることは記録上明らかなところであるから右逮捕状の発布は刑事訴訟規則第百八十七条第一項にいわゆる公訴提起後第一囘公判期日までの勾留に関する処分ということを得ないのみならず、前記裁判官のなした勾留処分関係書類の送付手続は同規則第百六十七条第三項の規定に基く手続であつて、もとより同規則第百八十七条第一項にいわゆる勾留に関する処分ということはできない。もつとも、右勾留処分の関係書類送付の手続は第一回公判期日が開かれた後速かに裁判所になすべきものであるが、本件においては所論のごとく第一回公判期日(当初昭和二十九年十月三十日に指定されたが、弁護人の申請により同年十一月十一日に変更された)前たる昭和二十九年十月三十日にこれが送付手続がなされており、この点は失当であるけれども、この誤はいまだ判決に影響を及ぼすべき訴訟手続の違反とは認め難いところである。畢竟、原判決には所論のごとき法令違反の点は存しないから論旨は理由がない。

註 本件破棄は量刑不当。

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