大判例

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東京高等裁判所 昭和29年(う)508号 判決

被告人 関根淡治

〔抄 録〕

次に窃盗は他人の物の占有を侵奪する行為であることは所論のとおりである。

しかし或物の所有権者とこれを直接占有する者とが別個であるとき、その物が窃取されれば、その被害者は所論の如く単に現実に物を占有する占有権者のみであるのではなく、所有権者も勿論被害者である。何となれば、所有権者も亦間接にその物に対する占有権を有しているからである。

よつてその物の所有権者が判明しておれば、原判決の如く直接の占有権者を被害者と認定せず、所有権者を被害者と認定しても何等差支のないものであるところ、原判決挙示の関係証拠によれば、十分原判示第二事実を認めることができるのである。その他本件記録を精査しても原審事実認定に誤があるものとは認められない。原判決は所論の如き違法の存するものではない。論旨は理由がない。

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