大判例

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東京高等裁判所 昭和29年(ネ)1992号 判決

控訴人は、本件紛争は普通の山林の所有権の争で、仮処分取消によつて被控訴人の被る損害は財産的のものであるから、本件は民事訴訟法第七百五十九条にいわゆる「特別の事情あるとき」に該当すると主張しているけれども、本件仮処分によつて保全せらるべき権利は、山林の所有権であるから、金錢賠償によつて被保全権利を実現したと同一の状態におくというわけには行かないことは明らかである。右法条に該当する場合は仮処分による損害が財産的のものであるだけでは足らず、更に一歩を進め、仮処分によつて保全せるべき権利が金錢的補償を得ることによつてその終局の目的を達し得らるべき場合を指すものというべく、控訴人の主張する被保全権利の喪失に対して金錢賠償が可能であるというだけでは足らないものというべきである。

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