大判例

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東京高等裁判所 昭和29年(ラ)108号 決定

仮処分の執行処分が取消されても、本案訴訟が終了しない以上訴訟が完結したことにはならないのであるから、抗告人に対し権利行使の催告をなしこれに基き右担保取消の決定をなしたのは不当である。よつて原決定を取消し、本件担保取消申立を却下する旨の裁判を求めるというのである。

しかしながら、抗告人提出の証明書(記録第三十三丁)に徴すれば、本件仮処分の執行処分は本案の訴が起されないままその取消がなされたことを認めうるところ、このように本案の訴が起されないうちに仮処分の執行処分が取消された場合には、民事訴訟法第百十五条第三項を準用し(同法第五百十三条第三項)担保権利者に対し権利行使の催告をなし、その行使がないときは担保取消につき担保権利者の同意があつたものと看做すのを相当とする。従て抗告人において権利行使をなしたと認めえられる資料のない本件においては、原裁判所が抗告人の同意があつたものと看做して、抗告人主張の担保取消の決定をなしたのは相当であつて本件抗告は理由がない。

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