大判例

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東京高等裁判所 昭和30年(う)2279号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判旨〕原判決は、被告人金奉生が原審相被告人高橋ハルイ方における覚せい剤の単独所持を認定判示しているのであるが、原判決が右認定の資料とした諸般の証拠に当審で取り調べた証人尋問の結果を参酌すれば、被告人は君島マス子と協議の上、右マス子の親族である右高橋ハルイ方において酒の密造をすることとなり、これに必要な諸材料を携えて同家に赴く際その近隣に本件覚せい剤注射液を売り捌くことを企て、右高橋方に至る途中風呂敷に包んだ本件覚せい剤注射液百二十本を右君島マス子に手渡し同人においてこれを所持し同家に到り、右高橋ハルイにこれが保管方をたのみ、被告人において同人に対しこれを他に売却方を依頼したものであることが明らかである。この点につき被告人は、自分は右注射液については何ら関知せずと極力主張するのであるが、右主張を肯認するに足りる証左は存しないから右主張を採用することはできない。しかしながら原判決が原判示犯罪を被告人の単独犯行と認定したのは事実誤認の過誤をおかしたものであつて、若しこの犯行が君島マス子との共犯なりとせば、証拠に現われたこの犯罪の動機態様、共犯者の各役割等にかんがみるときはその刑責においては消長はないにしても、その犯情においては被告人について相当軽減さるべきものがあり、従つてこの誤認は判決に影響を及ぼすことの明らかなものといわなければならない。しからば原判決は、この点において破棄を免れないことになり各論旨は結局理由がある。

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