大判例

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東京高等裁判所 昭和30年(う)3116号 判決

被告人 吉田吉右衛門

〔抄 録〕

被告人の論旨及び弁護人の論旨一について。

各所論は要するに原判示第一の(一)の事実誤認を主張するものであるから、記録並に当審でした事実取調の結果を併せ調査すると、被告人は原審まで右犯罪事実を自白しているが、検察官が右犯罪の賍物として提出した香水空瓶外五点が被害者白旗峰子の所有物でないことは同人に対する検察官の供述調書により明らかであり、また被告人が昭和三十年八月十八日頃の午前四時十五分頃、函館発青森行の連絡船摩周丸に乗船したことを認め得べき証拠もないから、右犯罪については結局その証明がないことに帰し、従つて原判決は事実の認定を誤つたものであり、その誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであるから論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。

(大塚 渡辺辰 江碕)

註 原判示第一の事実は、

(一) 昭和三十年八月十八日頃の午前四時十五分頃凾館発青森行の連絡船摩周丸客室において白旗峰子所有の現金約一万円及化粧品六点を窃取したものである。

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