大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和30年(う)3518号 判決

被告人 戸田坦俔

〔抄 録〕

本件記録を調査すると、原審は被告人並びに弁護人出頭の下に開かれた昭和三十年十月二十二日の第十二回公判期日において審理を終結し判決宣告期日を昭和三十年十一月八日午前十時と指定告知したこと、右宣告期日において弁護人不出頭の儘弁論を再開し既に従前の審理において取り調べた被告人の前科の点につきその判決謄本(第一審)及び抄本(第二審)を取り調べ、この点に関し被告人の供述を求めた上、検察官の意見、被告人の最終陳述を聴き即日審理を終結したことが認められる。しかし判決宣告期日と雖公判期日の一種であるから、右期日において弁論を再開し、事件の審理をすることは必ずしも違法ではない。本件はいわゆる強制弁護事件ではなく、また弁護人が適法に右期日の告知を受けていることは前示のとおりであるから、右弁護人が同期日に出頭しない場合でも被告人に異議がない限り右期日に弁論を再開し、更に前に示したような審理をすることは敢て違法とは云えない。本件記録に徴すれば被告人において弁論の再開並びに証拠の取調等につき異議を述べた事実は認められないのであるから、原審の訴訟手続は所論のような違法はない。故に論旨は理由がない。

(谷中 坂間 荒川)

註 本件破棄は量刑不当。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!