東京高等裁判所 昭和30年(ラ)602号 決定
一件記録を調査するに不動産評価鑑定書(第三八丁以下)ならびに不動産登記簿謄本(第二七丁、第一七〇丁以下)を綜合すれば、本件競売申立物件である東京都豊島区池袋二丁目九六一番地の七二家屋番号同町甲九六一番一二(後に一四と訂正)の家屋については昭和二十二年三月六日本件債務者である鈴木信三のため保存登記がなされてゐるにかかわらず同年九月二十二日更に同人のため保存登記がなされてゐる事実が明かであるから、後の登記はその効力がないものといわねばならぬ。それにもかかわらず一件記録殊に前記登記簿謄本(第二七丁)によれば、右後の登記の用紙に本件強制競売の申立があつたことが登載せられてゐることが明かであるから、本件強制競売はこれを続行すべきものではない。もしそうだとするならば、本件競落許可決定は不当であつて本件競落は許すべきものでない。