大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(う)1440号・昭31年(う)1439号 判決

被告人 呂秀雄 外一名

〔抄 録〕

被告人呂秀雄の弁護人の控訴趣意第一について。

よつて考察するのに、所論の各証拠によれば被告人呂秀雄に対する原判示第一の窃盗の所為は、石川義雄と共謀したことを認めるに足りるので、原判決がこれを同被告人の単独犯と認定したのは、事実誤認の過誤を冒したものといわなければならない。然しながら右各証拠によれば、右窃盗の実行行為は、終始同被告人が単独で敢行したものであつて、右石川義雄は何等これを分担するところがなかつたものであることが明瞭であるから、これが同人との共謀に出でたものであるとしても、これに対する刑罰法規の構成要件上の評価は畢竟同一に帰し同被告人の窃盗の刑責には毫も消長を来さないばかりでなく、記録上認められる本件共同正犯の態様において、これを単独犯と認定したからといつて、同被告人の犯情に格段の差異があるとも考えられないから、その面において右の事実誤認は判決に影響を及ぼすことが明らかであるということはできず、従つてこれをもつて原判決を破棄する理由とはなし難い。その他記録を精査しても右事実につき判決に影響を及ぼすことの明らかな事実の誤認あることを認め得ない。論旨は結局理由がない。

(三宅 河原 遠藤)

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