大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(う)2373号 判決

被告人 森利一

〔抄 録〕

恐喝罪における害悪の告知は、行為者自身の行為に出るものであることを要しない。行為者が第三者において相手方に対し害悪行為に出るであろうことを告げて、畏怖の結果を生じさせるも支障なく、その害悪行為が虚構の事実であつても、いやしくも行為者が恰かも第三者において相手方の困惑嫌忌することをあえて行うもののように装いこれを告知して相手方を畏怖させて財物の交付を受けた以上恐喝罪を構成するのであつて、詐欺罪の成立はこれを認むべきでないと解する。しかして、原判示(三)の事実は、原判決挙示の同事実に照応する証拠によりこれを認めることができるのであつてこれを恐喝罪と認定した原判決は前説示のとおりまことに正当であつて、詐欺罪と認定すべきでない。

(工藤 草間 菊池)

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