大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(う)2656号 判決

被告人 青島貞一

〔抄 録〕

弁護人の論旨第一点及び被告人の論旨(但し、量刑不当を主張する部分を除く。)について。

原判決挙示の証拠によれば、被告人の共謀の点を含めて、原判示犯罪事実を肯認するに十分であつて、記録を精査検討するも、右事実認定に何らの過誤あることを発見できない。既に事実関係にして以上の如しとすれば、被告人自身犯罪の実行行為をなさず単に謀議に加わつたにとどまつたとしても、他の共謀者において本件強盗の犯行に及び、且つ、その実行者の一人が被害者石田清作及び半田ふじの両名に対し順次傷害を加えたとすれば、被告人は、刑法第六十条によつて刑法第二百四十条前段の犯罪の刑責を負担するや勿論であり、且つ、傷害の被害者が二名でありその加害行為が時間的に相前後してなされたものであるから、この傷害は、各別に被害者毎に成立するものであり所論のように包括して一個の所為とは認められない故この二個の強盗傷人行為は住居侵入の所為とそれぞれ刑法第五十四条第一項後段の関係があるものである。従つてこれらの点に関する原判決の擬律は全く正当である。弁護人の所論は刑法第六十条及び第五十四条第一項の解釈について全く独自の見解によつて正当な原判決の擬律を攻撃するものであつて採用のかぎりでない。その他記録上原判決には所論のような違法は毫も発見できないから、各論旨は理由がない。

(大塚 渡辺辰 江碕)

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