大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(う)351号 判決

被告人 長谷川徳夫

〔抄 録〕

論旨第一点。

しかしながら、被告人による本件各斡旋は、いずれも、斡旋先のカフエー業者において、その斡旋にかかる婦女をして、業者において、もともと営業としている淫売行為に服せしめ、これが報酬として、当該婦女に対し、その売淫行為によつて得た対価の一定割合による金銭を業者から一定日に与えることを内容とする婦女対業者間の契約の成立に在つたことは原判決引用の証拠によつて明白に認められるところであつて、その各所為は、明らかに、求人者と求職者との間の雇傭関係の成立を斡旋したものであるということができる。而して巷間いわゆる特殊カフエーは、一定の取締法規により、その建物等につき公衆衛生その他の面から特別の監督を受けてはいても、決してその営業として婦女を抱え売淫行為をさせることまで、法律上公認されているのではないのであるから、前示認定の如く、被告人が売淫行為を内容とする雇傭関係の成立を斡旋した本件各所為は、とりもなおさず、職業安定法第六十三条第二号にいわゆる公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で職業紹介を行つたものとあるに該当するものといわざるを得ない。原審が、証拠に基き原判示事実を認定し、被告人の各所為につき職業安定法第六十三条第二号所定の罪に問うことは正当である。原判決には所論にいうような事実誤認の過誤はない。論旨は理由がない。

(三宅 河原 遠藤)

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