東京高等裁判所 昭和31年(う)41号 判決
被告人 作田仁太郎
〔抄 録〕
控訴の趣意第一点について。
銃砲刀剣類等所持取締令第一条においては、同令においていわゆる銃砲とは弾丸発射の機能を有する装薬銃砲をいうものと規定し、また火薬類取締法第二条には、実包が同法の定める火薬類に該当することを規定し、銃砲と実包とはそれぞれ別箇に右法令において取締の対象としているのであるから、法定の除外事由なくして銃砲と実包とを所持する場合は、銃砲刀剣類等所持取締令違反罪と火薬類取締法違反罪との各独立の犯罪が成立すること明白である。これを本件について見るに、原審が適法に確定した事実は、被告人は法定の除外事由がないのに昭和三十年七月十八日肩書自宅においてコルト式拳銃一挺及び同拳銃用実砲十五発を所持していたものであるというのであるから、右所為中拳銃不法所持の点は銃砲刀剣類等所持取締令第二条第二十六条第一項に、拳銃用実砲不法所持の点は火薬類取締法第二十一条第五十九条第二号に該当すること当然である。故にこれと同一に出でた原判決の法令の適用は正当であつて論旨は理由がない。
(工藤 渡辺好 久永)
註 原判決の擬律は拳銃につき刀剣類等所持取締令第二条第二六条第一項、実砲につき火薬類取締法第二一条第五九条右両者の関係は刑法第四五条前段の併合罪としている。