大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(け)21号 決定

被告人 高木光士

〔抄 録〕

本件の如く裁判官を忌避する旨の申立を却下する決定は即時抗告のできる場合であるから、刑事訴訟法第四二八条第二項によつて一見右東京高等裁判所(第一〇刑事部)が為した即時抗告の申立を棄却する旨の決定に対して更に東京高等裁判所に異議の申立を為すことができるかのようにも見える。しかし乍ら右第四二八条第一項、及び同法第四二七条の各規定の趣旨から考えれば、右第四二八条第二項によつて高等裁判所の決定に対し同じ高等裁判所に異議の申立のできる場合は高等裁判所が第一次的に為した決定に対してのみすることができるものと解せられるのである。即ち東京高等裁判所において第一次的にその裁判官を忌避する旨の申立が為され、これに対して同裁判所が申立を却下する旨の決定をしたような場合にのみ右第四二八条第二項によつて同じ東京高等裁判所に異議の申立を為すことができるのである。

東京高等裁判所が抗告裁判所として為した、本件申立人の第一審裁判官を忌避する旨の申立却下決定に対して為された即時抗告の申立を棄却する旨の決定に対しては最早抗告は勿論のこと右第四二八条第二項の異議の申立も為し得ないものと解すべきものである。

高等裁判所が抗告裁判所として為した決定に対してはただ同法第四三三条に所謂特別抗告を為しうるのみである。而して本件申立はこの特別抗告の申立とも解せられないのである。

(久礼田 武田 石井文)

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