大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和31年(ツ)78号 判決

原判決が、上告人主張のように、東京都台東区田中町二丁目十三番地の一所在家屋番号同町十三番の十三、木造板葺平家建店輔一棟建坪九坪の家屋は昭和二十三年一月頃に、右同所々在家屋番号同町十三番の十七木造木羽葺平家居宅一棟六坪の本件家屋は同年十二月に上記家屋の棟木にその棟木を接続して建築され、共に上告人深川太助が建築したもので、建築当時から昭和二十八年頃上記家屋を、上告人両名が被上告人に明渡すまでは、両家屋は一棟の建物となつていて、屋根の高さも勾配も同じであつて、両家屋の内部の境目には障子が立てられていただけで、自由に行き来することができ、上告人両名及びその家族は両家屋を区別することなく、一体として使用していたこと、及び上告人深川太助は右両家屋を一括して、本件抵当権と停止条件付代物弁済契約の目的としたことを認定判断したことは、原判決の記載によつて認めることができるし、原判決の挙示している証拠によれば、原判決認定の右諸事実をそれぞれ認めることができる。また、右認定のような上記家屋と本件家屋との構造と使用との関係からすれば、本件家屋は上記家屋に附加して一体となつて一個の建物をなしていて、区分所有権の目的となるようなものでないと解するを相当とする。よつて、原判決の認定判断は民法第二〇八条の解釈適用をも誤つているものではない。

(柳川 村松 中村匡)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!