東京高等裁判所 昭和31年(ネ)1410号 判決
被控訴人が控訴人を相手方として宇都宮地方裁判所に(本件畑)につき占有解除等の仮処分申請をなし、同裁判所が同庁昭和二九年(ヨ)第七三号不動産仮処分事件として審理の結果、同年三月一九日右申請を容れた仮処分決定をしたこと、そして被控訴人は右仮処分の本案訴訟として、右土地についての被控訴人より控訴人に対する売買契約は無効であると主張し、その地上建物の収去と土地の明渡を求める訴訟を同裁判所に提起して勝訴したこと、ところが右本案訴訟の控訴審では被控訴人の主張が理由なしと認められて原判決を取消され、結局控訴人の勝訴となつたこと、右控訴審の判決に対しては被控訴人から目下上告中であつて未確定の状態にあることは当事者間に争いのないところである。
そして成立に争いのない(中略)によれば、右本案訴訟の最も重要な争点は、右土地の売買契約が地方長官の許可を受けていないことから、旧臨時農地等管理令の規定によつて無効となるか否かの点にあるようである。しかし右甲第一、二号証と乙第一号証とを対照して考えてみれば、右本案訴訟の第二審判決に、影響を及ぼすこと明らかなる違法があるものとも考えられず、右第二審判決は上告審において取り消される虞れはないものと認めるのが相当である。
そうすれば本件仮処分については右第二審の本案判決の言渡により仮処分決定を取り消すべき事情の変更があるものと解するのが相当であつて、これと異る見解の下に控訴人の本件申立を棄却した原判決は不当である。
(薄根 奥野 山下)