東京高等裁判所 昭和31年(ネ)668号 判決
被控訴人に対し、申請の趣旨記載のような行為の禁止(〔編註〕本件は商品製造販売禁止仮処分申請事件である。)を求める控訴人の本件仮処分申請は、よし控訴人主張のような仮処分がなされたとしても、それによつては、被控訴人が控訴人に対し、訴を提起し、または仮処分を申請して、その権利を主張することを不可能ならしめるものではなく、また控訴人が当審にいたり新たに提出、援用した全疎明方法によつても、いま控訴人が申請するような仮処分をしなければならない必要性は認められないと付け加える外、原判決の記載と同一の理由によつて、失当なものと認められるから、右の記載を引用して、これを却下すべきものとする。
〔編註〕 本件の事実関係は左のとおりである。
控訴代理人は、「原判決を取り消す。被控訴人は控訴人が別紙目録及び図面(いずれも原判決記載のものを引用する。)記載の理髪用刈布支持器を製作、販売又は拡布することを妨げてはならない。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求めると申し立て、被控訴代理人は、主文同旨の判決を求めた。
当事者双方が主張した事実上の陳述は、控訴代理人において、被控訴人は控訴人の本件仮処分申請後、狡猾にも反対に控訴人に対して、控訴人が本件支持器の製作、販売等をしてはならない旨の仮処分を申請し、右の事件は現に係属中である。このことによつても、控訴人は被控訴人に対し、本件仮処分を求める必要があると陳述し、被控訴代理人において、被控訴人が右のような仮処分を申請したことは認めるが、それがため本件仮処分の必要があるとの主張はこれを否認すると述べた外、原判決の記載と同一である。