大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和32年(ネ)2668号 判決

(一) 控訴人の主張するところは、本件町議会解散処分の無効が判決により確定されれば控訴人が町議会議員として有する報酬請求権を行使できる筋合であるからこの点において訴の利益があるというにあるが、かような議員としての地位から派生した財産上の請求権はそれ自体を目的とする給付の訴によりその実現をはかるべく、(但しこの場合相手方は竜王町であつて、竜王町長ではない。)たとい本件確認訴訟において控訴人勝訴の判決が確定するもそれだけでは右請求権の存否につき既判力はなく、この請求権につき争いがあるときは更に前記給付訴訟を提起する外ないこととなるのであるから、かかる請求権行使の為という理由から直に本訴確認請求の利益を認めることはできない。

(二) 判決はこれに接著する口頭弁論終結当時を標準としてなされるべきであることは多言を要しないから、たとい本訴提起が控訴人の竜王町議会議員としての任期満了前になされたとしても、その後本件口頭弁論終結の時迄に任期が満了した以上本訴確認判決を求める実益は失われたものと解するの外はない。

(奥田 村木 岸上)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!