東京高等裁判所 昭和33年(う)1121号 判決
被告人 西山君江
〔抄 録〕
被告人がM及びTの両女の各年齢が一八才未満であつたにも拘らず、そのことを確認すべき適切な方法をつくすことなく、両女をして夫々売淫させたという原判示第一及び同第二の各事実は、いずれも、原判決の挙示する証拠によつて、優に証明することができるのであつて、記録を精査してみても、原判決の右各事実の認定には、いささかも、誤ある廉の見るべきものはない。そもそも、人の年齢を確認すべき適切な方法といえば、戸籍簿上に記載するその生年月日を知るの措置に出ずることであろう。唯本人の自称する年齢のみをそのまま信用し、右のごとき措置に出でず、従つて、その正確な年齢につき知るところがなかつたとすれば、それは、まさに、原判決のいうように、「適切な年齢確認の方法をつくさ」なかつた場合に該るものというべきであつて、児童福祉法第六〇条第三項にいう所の、「年齢を知らないことにつき過失のないとき」には該らないものといわなくてはならない。それ故に、原判決がその認定にかかる右各事実に対し、判示法条を適用して被告人を処断したとて、何等違法とすべき筋合ではない。
(中野 尾後貫 堀真)