東京高等裁判所 昭和33年(う)2421号 判決
被告人 渡辺弥八
〔抄 録〕
所論にかんがみ、原判決の法令適用の当否につき検討するに、原判決は、罪となるべき事実として、被告人は(中略)土間にあつた同人所有の婦人用中古自転車一台を窃取せんと持上げた際同人の弟秀雄に発見され云々と判示し、窃盗は障がい未遂に終つたこと、従つて窃盗未遂犯人による準強盗の事実を認定しているのであるが、かかる場合は準強盗未遂の法条を適用すべきものであることは当然であるにかかわらず(昭和二十四年七月九日最高裁判所第二小法廷判決参照)、原判決が、その法令の適用の項において刑法第二百三十六条、第二百三十八条を適用し、準強盗の既遂をもつて問ぎしたのは違法であり、この法令適用の誤は判決に影響を及ぼすこと明らかである。従つて論旨は理由があり、原判決はこの点において破棄を免れない。
(坂井 山本長 司波)