東京高等裁判所 昭和33年(ネ)120号 判決
被控訴人は、控訴人ら主張の、控訴人高柳トキヲの夫亡人高柳淳が被控訴人の先代塚田谷四郎から昭和五年一一月二二日頃転貸につき包括的承諾を得ておるとの点は、時機に遅れて提出したものとして却下を求めるので、まずこの点について考えるに、右抗弁は第一審において提出し得べかりし事実に関するものであることはそれ自体において明白であり、しかも第一審においては昭和三一年八月一四日以降昭和三二年一一月二〇日までの口頭弁論終結に至るまで一〇回の口頭弁論が重ねられ、その間右抗弁を提出し得べき十分な機会があつたと認められるにかゝわらず、当審に始めて提出したこと訴訟の全経過に照らし明らかであるから、当審におけるこれが提出は故意又は重大な過失により時機に後れたものと認めるを相当とすべく、かつ現に顕出された証拠によつてはこの事実を窺うことができないのでこれが取調のために更に相当な管理を必要とする点からみれば、訴訟の完結を遅延させるものと認むべきをもつて、控訴人らの右抗弁はこれを却下する。
(二宮 奥野 大沢)