大判例

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東京高等裁判所 昭和33年(ネ)1226号・昭33年(ネ)435号 判決

次に、控訴人は、被控訴人亀田の前認定の不法行為は被控訴会社の事業の執行に付いてなされたものであると主張し、被控訴会社はこれを否認するから、この点につき按ずるに、自動車の運転の場合には、運転そのものが事業の執行であつて、運転者がたとえ私用のため運転したとしても、客観的に見てそれが使用者の支配領域内のことがらであると認められる場合には使用者に責任を負わせるべきものと解すべきところ、本件にあつては事故当時被控訴人亀田が被控訴会社に自動車運転者として雇われていたものであつて、事故が亀田において被控訴会社の新入社員の引越荷物を会社の自動車によつて運搬中に発生したものであることは先に認定したとおりであるが、さらに、原審における証人坂本仁一郎の証言及び被控訴人亀田本人尋問の結果を総合すると、被控訴会社においては社員の引越荷物は会社の自動車で運搬してやるのが慣例になつており、右引越荷物の運搬も当時自動車輸送の事務を所管していた被控訴会社製造主任の右坂本の許可のもとになされたものであることが認められるから、被控訴人亀田の本件不法行為は被控訴会社の事業の執行についてなされたものとする外はなく、従つて、被控訴会社はこれについて民法第七百十五条第一項の責任を免れえないものといわなければならない。

(岡咲 田中 土井)

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