東京高等裁判所 昭和33年(ネ)1339号 判決
そして右売買契約中に売主たる控訴人がその責任において本件土地上に存する建物をその所有者をして収去させ更地として買主に引渡すことを約すると共に買主たる右会社は右の引渡と同時に売買代金の残額百万円を支払うことを約したことは前段認定のとおりである。即ち控訴人は本件建物を収去せしめて更地として本件土地を右会社に引渡さなければ、残代金百万円の弁済を受けることができない関係にあるものと認められる。従つて控訴人において右会社に対する売買残代金債権の満足を得るためには、本件建物の居住者を立退かせその所有者に建物を収去して土地を明渡させることを要するものといわざるを得ない。そしてかような場合には、前記売買代金の債権者たる控訴人は、債務者たる右会社に代位して本件土地の所有者たる同会社が地上建物の所有者ないし居住者に対して有する土地明渡請求の権利を行使し得るものと解するのを相当とする。
(谷本 堀田 野本)