大判例

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東京高等裁判所 昭和33年(ネ)1748号 判決

被控訴人細川佐市は従前本件家屋のうち貸借個所において、洋品雑貨商を営んでいたが、営業不振で税金を支払うことも困難となつたので、これを会社組織にしようと考えたが、友人の勧奨により協同組合組織とすることとし、昭和三一年一二月二六日当該官庁の認可を得た上、昭和三二年二月一四日登記して被控訴組合を設立したこと、右被控訴組合に池田貫徳が代表者理事長、被控訴人細川佐市が専務理事となり、その他理事十数名あり、多数の出資者もあるが、その営業の実権は被控訴人細川佐市にあつて、他の組合員は営業の実際には関与しておらず、その営業内容も従来細川が販売していた衣料品の外に日用品食用品を多少附加した点を除いては同一であり、店舗の使用状況も、多少模様替えした以外は従来と著しい差異がないことが認められる。

右認定のように、被控訴人細川佐市がその貸借店舗における個人営業を被控訴組合組織に変更した後においても、依然その営業の実権を握り、営業の内容も家屋の使用状況も従来と大差ない場合には、家屋の転貸借が存在しないとする見解があるけれども、被控訴組合は、消費生活協同組合法に基く法人であることは成立に争のない甲第一号証によつて明らかであるから、被控訴人細川佐市とは別個の人格を有するものであり、してみれば、被控訴人細川佐市に対する明渡判決の既判力及び執行力が当然に被控訴組合に及ぶものとは考えられないから、被控訴人細川佐市が本件家屋の賃借個所に被控訴組合の主たる事務所を置き組合の営業をなすことは、所詮被控訴人細川が被控訴組合をして同家屋を使用せしむること、即ち転貸借に外ならないものと解するを相当とする。

(角村 菊池 土肥原)

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