大判例

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東京高等裁判所 昭和33年(ネ)2463号・昭33年(ネ)2487号・昭33年(ネ)2489号 判決

第一審原告は、第一審被告国は昭和二十七年三月三十一日発行の買収令書による買収処分の有効であることを主張しながら、更に同一内容の昭和三十四年四月一日発行の買収令書(仮に第二の買収令書と称する)による買収処分をしたものであるから、このような場合は行政処分の性質上いずれの買収処分をも無効とすべきであると主張するが、この点についてみるに、東京都知事が第一審原告に対し同原告主張のような第二の買収令書を発送し、右令書が昭和三十四年四月八日第一審原告に到達したことは、当事者間に争がない。しかしさきの昭和二十七年三月三十一日発行の買収令書による買収処分が有効なものであること前認定のとおりである以上、右第二の買収令書による買収処分の無効であることはいうまでもない。しかも第一審被告国は、さきの買収令書が仮に第一審原告に交付されなかつたものとされ、従つて右買収令書による買収処分が無効を免れないものと認められた場合を顧慮し、念のために更に右第二の買収令書を発行したものであり、従つてさきの買収令書交付の点に問題がなく、これによる買収処分の有効であることが認められたときは、第一審被告国も右第二の買収令書による買収処分の有効を主張する趣旨でないことは、その弁論の全趣旨から明かなところである。そうすると右第二の買収令書の発行は、さきの買収処分の有効である以上単に無用の手続を重ねたものに過ぎずその効力を生ずる余地がないものというべきであり、このことがあるからといつてさきの買収処分の効力に影響しこれを失効させるものということはできない。

(薄根 村木 元岡)

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