大判例

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東京高等裁判所 昭和33年(ネ)678号 判決

当審証人宮木宇太郎の証言によれば、控訴人主張の賃貸借を認めうる如くであるが、控訴人山本泰吉が訴外宮木謙次に金十六万円の債務があつて、その弁済に代えて本件建物及びその敷地の所有権を右訴外人に移転し、右訴外人との間に、金十六万円の元金とこれに対する利息金五万円の合計金二十一万円を毎月金二千五百円宛七年間に分割して支払つたときは、本件建物及びその敷地の所有権をもとの所有者である控訴人山本正巳及び控訴人山本泰吉に移転することを約定し、控訴人山本泰吉において右分割金二千五百円を支払つて来たことは、原審における被告(控訴人)山本泰吉の供述の一部とこれによつて成立を認めうる乙第五号証に照らし到底否定し難いところであり、かような関係は、いわゆる譲渡担保というべきもので、たとえ控訴人山本泰吉と前記宮木謙次との間に賃貸借契約を締結するような形式を踏んでも、右被告山本泰吉の供述によつて、これを仮装のものと認めるを相当とし、賃料名義で金二千五百円を支払つてもそれは前記分割金で控訴人山本泰吉において賃料を支払つたものとは認め難く控訴人山本泰吉は無償で本件建物及びその敷地を使用しているものとなすほかないので、前記証言はこれらの証拠と対照するとそのままに信じ難く、これをもつて原審の認定を左右するに足りない。

(岡咲 田中 脇屋)

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