大判例

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東京高等裁判所 昭和33年(ラ)82号 決定

民事訴訟法第五百四十九条のいわゆる第三者異議の訴が提起された場合において、異議のため主張した事情が法律上理由ありと見え、かつ事実上の点につき疏明があつたときは、受訴裁判所は、申立に因り、保証を立てしめ、或いはこれを立てしめないで、すでになされた執行処分を取り消すことができるが(民事訴訟法第五百四十九条第四項、第五百四十七条第二項)、保証を立てしめる場合、それは後に至りその取消がなすべからざるものであつたことの判明したときに、債権者から該取消を申し立てたものに対して、これに因り被つた損害の賠償を請求することのあるべきことを予想して、その賠償を請求し得べき損害の担保にあてることを目的として立てさせるのであるから、その額を定めるについては、単に債権者主張の債権額のみを基準とすべきでなく、後日その執行取消の不当であるとされることの蓋然性の程度や、右取消につき当事者双方に存した諸般の事情等をも斟酌さるべきは当然であるといわなくてはならない。本件執行取消申請について相手方の提出した疏明を勘案するのに、仮に抗告人主張のごとく本件仮差押の債務者や第三者異議訴訟の原告たる相手方が日本国内において何らの資産を有しないとしても、請求債権額全部に相当する担保を立てさせる必要はないというべく、また、仮に右債権額が抗告人主張の額であつたとしても、原決定の定めた金四百万円の担保の額は、必ずしもこれをもつて不当であるとすることはできない。

(内田 原 入山)

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