東京高等裁判所 昭和33年(ラ)86号 決定
一件記録(東京地方裁判所昭和三十二年(ケ)第一〇〇〇号競売申立事件及び同庁昭和三十三年(カ)第一号再審申立事件記録)に徴すれば、草野末吉を債権者、本件抗告人を債務者兼所有者とする東京地方裁判所昭和三十三年(ケ)第一〇〇〇号建物競売申立事件の昭和三十二年十二月九日午前十時の競売期日に島田聴明出頭し、右草野のため本件建物につき競買の申出をなしたところ、その旨を明かにしないで、単に本人の名を表示したため、競売調書にもそのとおり記載せられ、競売裁判所は、前記草野に対し、同年同月十日競落許可決定をなし、該決定は即時抗告期間の経過により確定したこと明かである。そして一件記録(同上)を調査するも、当時右島田の代理権を証すべき書面が競売裁判所に提出せられていた事跡は、これを認め難いが、その後草野は同年同月二十三日島田の右競買申出行為を追認した事実明かである(前記再審申立事件記録第八丁以下参照)から、仮りに当時島田において草野のため、本件競買をなす代理権がなかつたとしても、その瑕疵は右追認によつて補正せられたものといわねばならぬ。
(奥田 牧野 青山)